ゆるくて甘い関係

日常から離れた、ふわふわした時間の記録です。

計算くん ③

計算くんは、こう言いました。


計算「みきさん、迷っているようだから、こうしませんか。


今から、みきさんが 先にお店を出てください。


僕は1分、席で待って、それから会計して、店を出ます。


もしみきさんがよければ、店の外で待っててください。


もし嫌だったら、帰っちゃってください。


もし店の外に出たとき みきさんの姿がなかったら


僕はその場でみきさんの連絡先を消去して、二度と連絡しないようにするから


大丈夫ですよ」


・・・1分かぁ・・姿を消すには短すぎるよ。


だってガストを出たら、左右に一本道。


そして私は7センチヒールをはいている(しかも新品だった)。


「1分じゃなくて5分、店内で待ってもらえますか」なんて言ったら
姿を消そうとしてるのバレちゃうしなぁ



とにかく、1分の猶予をもらって


私は「じゃあ、とりあえず、ごちそうさまでした」などと含みを持たせて
ガストをのんびり出ます。


そして、外に一歩、出たとたん、鶯谷駅に向かって猛ダッシュです。


乙女な走りなんかじゃなくて


思いっきりの陸上競技走り(笑)


だって、走って逃げる後姿の必死さを 計算くんが見たら悲しむだろうから
逃げるほうも 必死です。


ゼイゼイの ハアハア です。


やっとの思いで 山手線に飛び乗りました。


息をしずめて、落ち着いて、携帯を見ると


なんと計算くんからメッセージが。



「連絡しないって言ったけど、やっぱり連絡しちゃった。


すごく気に入ったのに、やっぱりだめだったか~。


でもこれに懲りず、気軽にメールしてきてほしいな。また会いましょう」



もう会うこともないけれど・・


この方法って、さすが計算くんだと思いました。


だって、会ってから、お断りするのって
すごく難しいもの。


その気まずさをお互いが感じない
すごくよい方法を 計算くんは、提案してくれました。


さすが計算くんです。


あ、くんって呼んでるけど、私よりずっと上の人でした^^



おわり