ゆるくて甘い関係

日常から離れた、ふわふわした時間の記録です。

磁石なオトコ

番外編です。


出会い系ではなく、日常でのちょっとした思い出のことを。


昔、少しだけ付き合った男性がいました。


バリバリの理系男子です。


彼の素敵なところのひとつは


記念日でなくても、日常的にプレゼントをくれるところ。


高価なものではないんです。


ちょっとしたお花とか、


小さくておいしいチョコレートとか


デートのたびに、「これおいしそうだったから」「これきれいだったから」
と言って
デートのたびに、ですよ。


塵も積もれば・・なんて言ったら失礼ですが


毎回 毎回 だと、今でも心に残ります。



ある時、池袋の東急ハンズで待ち合わせをしたことがありました。


「みきちゃん!僕らにすごくピッタリなものを見つけたよ!」


私を待つ間に、彼が東急ハンズで買ったもの、それは


キャラメルくらいの大きさのネオジム磁石


でした。


「ネオジム磁石は、ほら!くっついて離れないんだよ」


とイキイキと話す彼。


これを「お互いに持とう」と 2つ買って、1つを私にくれました。


いつでも引きつけ合う二人でいようっていう意味で。


正直ちょっと微妙でしたが・・ありがとう、と言ってバッグにしまいました。



そして翌日。


銀行行ってアウト、スーパー行ってアウト・・・


バッグの中にあるすべてのカードが磁気不良で使えなくなっていました_| ̄|○・・・


すべての、すべてのカードです・・・


好意が一転、あろうことか激しい殺意すら覚えました。



すべてのカードを復活させるのに、どれだけの労力と時間がかかったか。


もちろん仕事にも支障が出て、損害は はかり知れず。



そんな彼だったんで、しばらくしてから自然にお別れしました。
ちょっと変だけど純粋な、いいひとでした。・・ってフォローになってないかなぁ


今でもネオジム磁石は冷蔵庫についていて


そこに鍋つかみを ひっかけています。結構便利です♡

してみたら気持ちが変わるかも

もう、もったいぶるような年齢でもないし
むしろ
不倫掲示板やチャットの待機メッセージに
30代までの女性
なんて書いてあると 
そっかぁ 年齢的にはごめんなさいされるんだなぁって思って
少し切ない気もします。


付き合うまでセックスをお取り置きっていうのは
遠回りをしているかもよって
若かった頃の自分に 言いたい。


10歳年上のふみひろさん
2年前の健全なデートの時には
特に 性的には 惹かれなかった。
優しくて 穏やかで 素敵なおじさま、という雰囲気
おひさまのような あたたかいまなざし


だからセックスも あまりエロくなくて
教科書的なノーマルな感じなんだろうなぁって
想像できたというか・・


でもそれが実際 セックスをしてみたら
「こんな感じのセックスだろうな」と軽く勝手に想像してたのが
見事に裏切られて 
優しくて 穏やかなのは正解だったけど
優しくてソフトなSだった意外性。


セックスしなければ わからなかった。
ひろふみさんが 一通りいろいろな経験をしていることも。


2年ぶりに会った夏の日
「今日は、積極的に行く。ホテルでいいね?」
と言われて
「あ、はい。」とすんなり答えて 肌を素直に重ねてみてよかった。


若い頃は「え~・・」なんて、もったいぶっていたから。
ほんとはしたいくせに、いつもそんな感じだった。


今のほうが、いろいろ楽しい。








わくわくさん ③

わくわくさん ② の続きです。


仕方なく私は ホテルに入りました。
心はどんより 
そんな私を、わくわくさんは「緊張している」と思い込んだようです。


「緊張しなくていいからさっ!」


「あ、みきちゃんの隣に座っちゃおっかな~ よいしょっと!
 なんて、なんて!
 こうやって、手なんて握ったら、どおかな?!
 もっと緊張しちゃう?!逆効果?!それは困るぞー♡」


自分で問いかけ、自分で答える わくわくさん。
私の一番苦手な、落ち着きのない意味なく喋り続けるひと・・・・。


私は、握られた手を優しくほどきながら


「そうなんです、緊張しちゃうんですよね私・・」


と部屋を真っ暗に ピピピとボタン操作。


「え~~~!みきちゃんっ!これじゃ何にも見えないよぉぉ~!
 不服申し立てっ!
 不服申し立ていたします!裁判長!なんつって~


 みきちゃんがそうしたいなら、くうん、我慢しよっかな、しくしく」


何も見えなくていいんです。
何も見えないから、違う人としてると思えば・・
私だって必死なんです・・・。


とはいえ、恋人とのセックスが合わないことが、出会い系に走った一因でもあったし
当時はカラダの関係がある特別な人もいなかったので
「誰としている妄想にすれば気持ちをごまかせるか」
を考えても ちっとも思いつきません。


目が慣れても シルエットくらいしか見えない暗闇で
キスをされても、胸を愛撫されても、
・・・あ~・・・やだ~・・・・早く帰りたい・・・
とばかり思ってしまう、最悪のセックス。


好きな人とのセックスは あんなこと こんなこと いろいろ書いてしまうのに
わくわくさんとのセックスの記憶は、脳が拒否しているのか、あまり思い出せないんです。


私はとっても濡れやすくて、それが悩みの種でもあるのですが
こんなに嫌な気持ちでも、ちゃんと濡れるんです、とっても。


わくわくさんは、勘違いでとても嬉しかったみたいで
割と早い段階で挿入
腰を振りながら「ハッ!」とサンバのように合いの手を入れるように叫びながら
早めに終わってくださいました。


すぐにシャワーに入って服を着て帰りたい私に
「女の子はセックスの後のまどろみが好き」とばかりに
腕枕を促す、わくわくさん。


仕方なく、出してくれた腕に、頭を乗せます。


「そうそう、あのね、僕ね、結構有名なブロガーなんだよ」


話の流れから、急にどこに用意してあったのか、自分の携帯を持ち出して
ブログを私に見せ始めます。
タイトル一覧には「孫ちゃんの誕生日」という文字があり、思わず


「やっぱり、おじいちゃんですよね?!」


と 声高らかに「やっぱり」などと口にしてしまった私。


そうだよ、だってどう見ても、おじいちゃんだもの。


私はやっと胸のつかえがおりて
「おじいちゃんなのに43歳なわけないじゃないですか(;''∀'')」
「もうひどいんだから。お孫さん待ってますからね、帰りましょう」
と 優しくでも強気で 帰り支度を促します。


その夜
「また今度お願いしちゃいます。いいかな?いいとも!なんてね」
というメールが来ましたが
一切返信していません。


わくわくさん。私の出会い系の黒歴史でした。おわり。